ヒトパピローマウイルス、特に16型(HPV16)は性器に感染し、子宮頸癌を引き起こす可能性がある。HPV16に対する防御は、HPV16の主要なカスピドタンパク質L1に対する中和抗体によってもたらされると考えられている。HPV16 L1はウイルス殻の5量体集合単位を形成しており、マイナーカプシドタンパク質L2の関与なしにHPV16 L1が細胞表面に結合することがHPV16感染の最初のステップであると考えられている。L2のC末端近傍に位置するL1結合ドメインは、カプシドの組み立てが完了する前にL1と結合し、ウイルスゲノムの効率的なカプセル化に必要である。さらに、L1のC末端はDNA結合とDNAパッケージングの両方に必要である。後期遺伝子L1の発現は感染上皮の上層に限定される。HPV16 L1は、in vitroで無関係なプラスミドDNAをパッケージングし、外来DNAを真核細胞に送達して、コードされた遺伝子を発現させることができる。L1はびまん性の核内分布を示すのに対し、L2は前駆細胞性白血病タンパク質のがん化ドメイン(POD)と同定される点状の核内領域に局在する。L1とL2の共発現は、L1のPODへの再局在化を誘導する。
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HPV16 L1抗体(289-16981) 参考文献:
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