T細胞抗原受容体(TCR)は外来抗原を認識し、このような認識事象を細胞内シグナルに変換して、細胞を休眠状態から活性化状態へと変化させる。このシグナル伝達プロセスの多くは、TCRと直接会合するタンパク質のマルチサブユニット複合体に起因している。この複合体はCD3(cluster of differentiation 3)と呼ばれている。γ鎖とε鎖のヘテロ二量体(γε)、δ鎖とε鎖のヘテロ二量体(δε)、2本のζ鎖のホモ二量体(ζζ)またはζ鎖とη鎖のヘテロ二量体(ζη)である。ζ鎖とη鎖は同じ遺伝子にコードされているが、代替スプライシングによりカルボキシル末端が異なっている。γ鎖、ε鎖、δ鎖はそれぞれ、保存された免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を1コピーずつ含んでいる。対照的に、ζ鎖は同じモチーフの連続する3つのコピーを含んでいる。リン酸化されたITAMは、ZAP-70やSykのようなプロテインキナーゼのドッキング部位として働き、またキナーゼ活性を制御することができる。ζ鎖ITAMに結合したZAP-70 SH2ドメインの結晶構造が解明された。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
CD3-γ/δ 抗体 (HMT3-2) | sc-101415 | 200 µg/ml | $316.00 |