チオレドキシン(Trx)は、バクテリア、植物、哺乳類などいくつかの生物種に見られる酸化還元タンパク質で、Trp-Cys-Gly-Pro-Cysからなる保存された活性部位を持つ。Trxにはいくつかの生物学的機能がある。DNA合成に重要なリボヌクレオチド還元酵素の水素供与体として働き、NFkB、AP-1、p53、TFIIIC、グルココルチコイド受容体などいくつかの転写因子のDNA結合活性を調節する。また、Trxは細胞増殖を促進し、アポトーシスを抑制し、酸化ストレスからの保護にも関与している。Trxを阻害する薬剤には抗腫瘍活性があり、Trxが癌を含む様々なヒトの疾患に関与していることを示唆している。チオレドキシン2(Trx-2)はミトコンドリアに局在する小さな酸化還元タンパク質で、細胞の生存に必須であり、ミトコンドリアにおける活性酸素の消去とミトコンドリアのアポトーシスシグナル伝達経路の制御に重要な役割を果たしている。Trx還元酵素(TrxR1およびTrxR2)はユビキタスに発現するフラボタンパク質で、NADPH依存的なTrxの還元を触媒する。哺乳類のTrx還元酵素は、セレン含有ピリジンヌクレオチド-ジスルフィド酸化還元酵素ファミリーの一部であり、Cys-Val-Asn-Val-Gly-Cysの触媒部位が保存されている。TrxR1とTrxR2は酸化ストレスの防止にも関与している。TrxRの活性を阻害することで、がん、AIDS、その他の自己免疫疾患、細菌感染症、寄生虫症などの治療が期待される。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
Trx-2 抗体 (B-8) | sc-133200 | 200 µg/ml | $316.00 | |||
Trx-2 (B-8): m-IgG Fc BP-HRP Bundle | sc-539866 | 200 µg Ab; 10 µg BP | $354.00 |