T細胞抗原受容体(TCR)は外来抗原を認識し、このような認識事象を細胞内シグナルに変換して、細胞を休眠状態から活性化状態へと変化させる。このシグナル伝達プロセスの多くは、TCRと直接会合するタンパク質のマルチサブユニット複合体に起因している。この複合体はCD3(cluster of differentiation 3)と呼ばれている。CD3は5本の不変のポリペプチド鎖から構成され、それらが会合して3つの二量体を形成する:ガンマ鎖とイプシロン鎖のヘテロ二量体(CD3-γとCD3-ε)、デルタ鎖とイプシロン鎖のヘテロ二量体(CD3-δとCD3-ε)、2本のゼータ鎖のホモ二量体(CD3-ζ)またはゼータ鎖とエータ鎖のヘテロ二量体(CD3-ζとCD3-h)。CD3-ζとCD3-hは同じ遺伝子にコードされているが、カルボキシル末端が代替スプライシングによって異なっている。CD3-γ、CD3-ε、CD3-δはそれぞれ保存された免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を1コピーずつ持っている。対照的に、CD3-ζは同じモチーフの連続した3つのコピーを含んでいる。リン酸化されたITAMは、ZAP-70やSykのようなプロテインキナーゼのドッキング部位として働き、またキナーゼ活性を制御することができる。CD3-ζのITAMに結合したZAP-70 SH2ドメインの結晶構造が解明された。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
CD3-ε 抗体 (G-5) | sc-137096 | 200 µg/ml | $316.00 |