ホスホジエステラーゼ6α(PDE6α)阻害剤は、ホスホジエステラーゼ6(PDE6)酵素複合体の不可欠な部分であるPDE6αサブユニットを特異的に標的とし、その活性を阻害するように設計された化合物群である。この複合体は、網膜の桿体視細胞内で起こるプロセスである光伝達経路に基本的に関与している。光伝達とは、網膜で取り込まれた光が神経細胞のシグナルに変換され、脳へと伝達されるメカニズムのことである。PDE6αは、視覚反応を担う二次メッセンジャーであるサイクリックGMP(cGMP)レベルを調節することにより、この経路において中心的な役割を果たしている。
PDE6α阻害剤は、その作用により、視細胞内のcGMPレベルに影響を及ぼすことができる。通常、PDE6の活性化はcGMPの加水分解を引き起こし、cGMPゲートイオンチャネルの閉鎖と視細胞の過分極を引き起こす。PDE6αの阻害剤は、その分解によってcGMPシグナルを延長または増強する。これらの阻害剤の性質や構造は様々であるが、共通しているのはPDE6αサブユニットに対する親和性と特異性である。
| 製品名 | CAS # | カタログ # | 数量 | 価格 | 引用文献 | レーティング |
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Zaprinast (M&B 22948) | 37762-06-4 | sc-201206 sc-201206A | 25 mg 100 mg | $103.00 $245.00 | 8 | |
より一般的なPDE阻害薬であるが、PDE6に対してもある程度の阻害活性があることが示されている。 | ||||||
IBMX | 28822-58-4 | sc-201188 sc-201188B sc-201188A | 200 mg 500 mg 1 g | $159.00 $315.00 $598.00 | 34 | |
非特異的PDE阻害薬で、PDE6にも作用する可能性がある。 | ||||||