ASIC2阻害剤は、酸感受性イオンチャネル2(ASIC2)を標的とし、その活性を調節することにより、その影響力を発揮する。酸感受性イオンチャネル(ASIC)は、細胞外のpHレベルの変化に対する細胞応答を媒介する上で極めて重要な役割を果たすイオンチャネルのサブセットである。中でもASIC2は、主に中枢神経系と末梢神経系に発現する注目すべきサブタイプである。ASIC2の主な機能は、細胞外アシドーシスに応答してナトリウムイオンの流入を促進することであり、神経伝達、痛覚、知覚などの細胞プロセスに寄与している。
ASIC2阻害剤は、ASIC2チャネルの正常な機能を阻害することによって作用し、そのイオン伝導活性を効果的に阻害する。阻害剤の作用機序としてよく知られているのは、チャネル孔の結合部位をナトリウムイオンと直接競合することである。この競合によって、pHの変化に反応してチャネルが開く性質が低下する。その結果、ナトリウムイオンの流入が阻害され、細胞外のpH変動に対する細胞の応答が調節される。アミロリドやベンズアミルのようないくつかのASIC2阻害剤は、構造的にナトリウムイオンに似ており、結合部位と相互作用してイオンチャネルを閉塞する。もう一つのメカニズムは、チャネル上の異なるアロステリック部位に結合し、チャネルのゲーティング特性に影響を与えるコンフォメーション変化を引き起こすことである。要するに、ASIC2阻害剤は正常なイオンの流れを乱し、神経細胞の興奮性、神経伝達、そして潜在的には知覚経路に影響を及ぼす。
| 製品名 | CAS # | カタログ # | 数量 | 価格 | 引用文献 | レーティング |
|---|---|---|---|---|---|---|
Amiloride | 2609-46-3 | sc-337527 | 1 g | $290.00 | 7 | |
ナトリウムイオンと競合することでASIC2をブロックし、イオンチャネルの開口を妨げてナトリウムの流入を減少させる。 | ||||||
Benzamil•HCl | 161804-20-2 | sc-201070 | 50 mg | $195.00 | 1 | |
ASIC2を介したナトリウム流入を阻害することでアミロリドと同様の作用を示し、神経細胞の興奮性を低下させる可能性がある。 | ||||||