IP6K3の化学的阻害剤には、IP6K3の活性を制御することが知られている様々なキナーゼやシグナル伝達経路を標的とする様々な化合物が含まれる。塩化リチウムはグリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK-3)を阻害する。GSK-3は活性化されるとIP6K3をリン酸化し不活性化することができるプロテインキナーゼである。GSK-3を阻害することにより、塩化リチウムはIP6K3を活性状態に維持することができる。同様に、スタウロスポリンは、IP6K3をリン酸化する潜在的なキナーゼを含む広範なプロテインキナーゼ阻害剤として作用する。これらのリン酸化事象を阻害することにより、スタウロスポリンはIP6K3の活性化状態を低下させることができる。さらに、トリシリビンとLY294002はPI3K/Akt経路を直接標的とし、トリシリビンはAktを阻害し、LY294002はPI3Kを阻害する。PI3K/Akt経路はIP6K3を制御することができるので、この経路を阻害すればIP6K3のリン酸化とその後の活性化を減少させることができる。mTOR阻害剤であるラパマイシンも、IP6K3をリン酸化するキナーゼを阻害することによってIP6K3の活性に影響を与え、その結果、活性が低下する。カルモジュリン拮抗薬である塩化カルミダゾリウムは、カルモジュリン依存性キナーゼを阻害し、IP6K3活性を制御するカルシウム/カルモジュリンシグナル伝達に影響を与える可能性がある。
H-89によるサイクリックAMP依存性プロテインキナーゼA(PKA)の阻害は、PKAがこのタンパク質を標的としている場合、IP6K3のリン酸化を減少させる可能性がある。さらに、PD98059とU0126は、MAPK/ERK経路活性を低下させるMEK阻害剤である。この経路はIP6K3をリン酸化することができるので、これらの阻害はIP6K3活性の低下につながる可能性がある。JNK阻害剤SP600125とp38 MAPK阻害剤SB203580は、IP6K3をリン酸化するキナーゼを阻害することによって作用し、その活性化を防ぐ。最後に、Wortmanninは、LY294002と同様に、PI3Kを阻害し、IP6K3のリン酸化につながる下流のシグナル伝達経路の活性を低下させることにより、IP6K3の活性化を低下させる。これらの様々なメカニズムにより、各化学阻害剤は、IP6K3の活性化状態を制御するキナーゼや経路を標的とすることで、IP6K3の機能的活性を低下させることができる。
関連項目
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製品名 | CAS # | カタログ # | 数量 | 価格 | 引用文献 | レーティング |
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Wortmannin | 19545-26-7 | sc-3505 sc-3505A sc-3505B | 1 mg 5 mg 20 mg | $66.00 $219.00 $417.00 | 97 | |
Wortmanninは、LY294002と同様にPI3Kの強力な阻害剤である。PI3Kを阻害することにより、WortmanninはIP6K3のリン酸化と活性化を含む下流のシグナル伝達を減少させることができる。 |