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N-(5-カルボキシペンチル)-デオキシノジリマイシン(CP-DNJ)は強力なイミノ糖誘導体であり、そのユニークな作用機序から糖鎖生物学研究において大きな注目を集めている。CP-DNJは、糖質代謝や糖タンパク質のプロセッシングに関与する酵素であるα-グルコシダーゼの競合的阻害剤として作用する。具体的には、α-グルコシダーゼの活性部位に結合し、糖タンパク質やオリゴ糖からの末端グルコース残基の加水分解を阻害する。この阻害は、小胞体におけるミスフォールドした糖タンパク質の蓄積と、それに続くアンフォールドド・タンパク質応答(UPR)経路の活性化につながる。研究者らは、糖タンパク質のプロセシングを調節する化学的ツールとしてCP-DNJを利用し、グリコシル化の障害が細胞生理学に及ぼす影響を研究している。さらに、CP-DNJは、ウイルス糖タンパク質の成熟を阻害し、宿主細胞へのウイルス侵入を阻害することにより、リソソーム貯蔵障害やウイルス感染を管理する研究において有望視されている。さらに、CP-DNJ誘導体は、糖尿病、癌、神経変性疾患の治療薬としての可能性も研究されている。CP-DNJは、その多面的な作用機序を通して、健康や疾患における糖鎖形成の役割を解明する上で貴重なツールであり続けている。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
N-(5-Carboxypentyl)-deoxynojirmycin, 1 mg | sc-286352 | 1 mg | $170.00 | |||
N-(5-Carboxypentyl)-deoxynojirmycin, 2 mg | sc-286352A | 2 mg | $320.00 |