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酢酸トリス-EDTA(TAE)緩衝液は、一般に50X TAEと呼ばれ、分子生物学、特に核酸の電気泳動分離に広く使用されている緩衝液である。この緩衝液は、トリス塩基(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、酢酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)の混合物からなる。TAEバッファーの主な役割は、電気泳動中に安定したpHを維持することであり、これはアガロースゲルを通過するDNAの安定した移動に極めて重要である。TAE緩衝液は、電流を流すイオンを供給し、DNA分子の周囲の電荷環境を安定化させることで、電場下でのDNAの移動を促進する。バッファーのEDTA成分はキレート剤として作用し、ヌクレアーゼに必要な補酵素であるMg²⁺やCa²⁺などの二価金属イオンと結合する。これらのイオンを封鎖することで、EDTAは電気泳動の過程で核酸を分解する酵素活性を阻害する。TAEバッファーの研究用途は、単純なDNAゲル電気泳動に限定されない。パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)やフィールド反転ゲル電気泳動(FIGE)のような、より微妙な分子生物学的技術にも採用されており、その緩衝能が電場の向きや強度の変化を管理するのに役立ち、それによって非常に大きなDNA断片の分離をサポートする。TAEは、TBE(トリス-ホウ酸-EDTA)のような他のバッファーと比較して、緩衝能が若干低いため、これらのアプリケーションでは、長時間の実行中のpHシフトを防ぐために、より頻繁なバッファー再循環を必要とする代償として、より大きなDNA断片の分離をより良くすることができるため、有利である。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
Tris Acetate-EDTA buffer, 50X, 1 L | sc-281694 | 1 L | $71.00 |