Nup54 抗体 (613J2U) は、ウェスタンブロッティング (WB) によりヒトのサンプル中の Nup54 を検出するマウスモノクローナル IgG1 抗体です。 Nup54(ヌクレオポリン 54kDa)は、真核細胞において核と細胞質の間での高分子の選択的輸送を促進する核膜孔複合体(NPC)の重要な構成要素です。この507アミノ酸のタンパク質は主に核に局在し、Nup54は核膜を通過するタンパク質やRNAの量を調節することで、細胞の恒常性を維持する上で重要な役割を果たしています。Nup54の重要性は、その構造上の役割にとどまりません。Nup54は複数の選択的スプライシングによるアイソフォームが存在し、それにより細胞プロセスにおける機能的多様性と適応性が可能となっています。さらに、Nup54は翻訳後修飾であるO-グリコシル化を受け、この修飾は他のタンパク質との相互作用やNPC内の全体的な機能に影響を与える可能性があります。Nup54とそのアイソフォームの動態を理解することは、核細胞質輸送のメカニズムや、さまざまな細胞機能や疾患への影響を解明する上で不可欠です。Anti-Nup54抗体(613J2U)は、これらの重要なプロセスを研究する研究者にとって非常に有用なツールです。
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Nup54 参考文献:
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