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N-アセチル-D-ラクトサミン(LacNAc)は、様々な糖鎖複合体に見られる重要な糖鎖構造であり、細胞認識やシグナル伝達プロセスにおいて極めて重要な役割を果たしている。LacNAcとガレクチンなどのレクチンとの相互作用は、細胞間接着、移動、シグナル伝達を媒介する上で極めて重要である。最近の研究では、特に炎症や自己免疫疾患における免疫応答の調節におけるLacNAcの役割が説明されている。研究では、細胞表面の糖タンパク質や糖脂質上のLacNAc残基がガレクチンのリガンドとして機能し、T細胞の活性化、マクロファージの分極化、樹状細胞の成熟などの免疫細胞の機能を制御していることが示された。さらに、LacNAcを介した相互作用は、胚発生、癌転移、微生物病原性を含む様々な生理学的および病理学的過程に関与している。さらに、糖プロテオミクスおよびグリコミクス技術の進歩により、LacNAcを含む糖鎖の詳細な構造および機能解析が容易になり、その生物学的意義および生物医学研究における応用の可能性に関する知見が得られている。LacNAcを介した細胞間相互作用の根底にある分子メカニズムに関する継続的な研究は、免疫関連疾患や糖鎖付加パターンの制御異常を特徴とする他の疾患を標的とした新規戦略の開発につながることが期待される。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
N-Acetyl-D-lactosamine, 5 mg | sc-281053 | 5 mg | $58.00 |