クイックリンク
L-α-ホスファチジルイノシトール-3-P(PI3P)は、様々な細胞内プロセスに関与するリン脂質であり、主に細胞内輸送と膜動態におけるシグナル伝達分子として働いている。PI3Pは、エンドサイトーシス、オートファジー、小器官間の小胞輸送などの膜輸送イベントの制御において極めて重要な役割を果たしている。PI3Pの合成は、クラスIIIホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)によって仲介され、PI3Kはイノシトール環の3位でホスファチジルイノシトールをリン酸化する。一旦生成されると、PI3PはPI3P結合ドメインを持つ特定のエフェクタータンパク質のドッキング部位として機能し、膜への動員を促進し、多様な細胞機能を制御する。PI3Pは、細胞質成分の分解と再利用を通じて細胞の恒常性を維持するために不可欠な細胞内プロセスであるオートファジーの主要な制御因子として働くことが、これまでの研究で示されている。さらに、PI3Pは、エンドソームの選別と成熟、膜輸送、細胞の成長、増殖、生存に関わるシグナル伝達経路の制御にも関与している。細胞生理学における基本的な役割に加えて、PI3P代謝異常は、癌、神経変性疾患、感染症などの様々な病態と関連している。したがって、PI3Pが介在する細胞内プロセスの根底にあるメカニズムを理解することは、疾患の分子基盤を解明し、PI3P関連経路を標的とする新規戦略を開発する上で極めて重要である。現在進行中の研究は、細胞内シグナル伝達におけるPI3Pの複雑な役割と、健康と疾患におけるその意味を明らかにするために続けられている。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
L-α-Phosphatidylinositol-3-P, 100 µg | sc-221817 | 100 µg | $115.00 |