単純ヘルペスウイルスの2つの血清型、HSV-1(1型または口腔型とも呼ばれる)とHSV-2(2型または性器型)は、感覚神経節内に生涯潜伏感染を確立することができる。定期的にウイルスが再活性化し、再発性冷え症、眼および性器感染症、脳炎を引き起こすことがある。細胞をウイルス遺伝子産物の効率的産生能に変換するHSV-1/2タンパク質の一つが感染細胞ポリペプチド27またはICP27である。HSV-1/2即時型タンパク質ICP27は核内リン酸化タンパク質であり、溶菌感染時のウイルス増殖に必要である。この機能が欠損したウイルス変異体の解析から、ICP27は宿主のタンパク質合成の停止、HSV-1/2初期遺伝子発現とDNA複製の刺激、後期ウイルス遺伝子産物の誘導など、遺伝子発現に多くの影響を及ぼすことが示された。ICP27は主にRNAプロセシングのレベルで転写後にこれらの機能を果たす。ICP27は、ポリアデニル化、スプライシング、核内RNA輸送という3つの重要なRNAプロセシングイベントに影響を及ぼす。
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HSV-1/2 ICP27抗体(H1113) 参考文献:
- ICP27はSRPK1と相互作用し、SRタンパク質のリン酸化を変化させることで、HSVのスプライシング阻害を媒介する。 | Sciabica, KS., et al. 2003. EMBO J. 22: 1608-19. PMID: 12660167
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- 単純ヘルペスウイルス1(HSV-1)とHSV-2のICP27ホモログの機能比較から、ビリオンの放出におけるICP27の役割が明らかになった。 | Park, D., et al. 2015. J Virol. 89: 2892-905. PMID: 25540385
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- ICP27は, ロイシンリッチな核外輸送シグナルを介してシャトリングし, RGGモチーフを介してウイルスイントロンレスRNAと結合することで, HSVのRNA輸送を仲介している。 | Sandri-Goldin, RM. 1998. Genes Dev. 12: 868-79. PMID: 9512520