クイックリンク
ジギトキシンはジギタリス・プルプレア(Digitalis purpurea)由来の心臓配糖体であり、ナトリウム-カリウムATPアーゼ(Na+/K+-ATPアーゼ)ポンプに対する強力な阻害作用があるため、研究において大きな関心を集めている。このポンプは細胞膜のイオン勾配を調節し、膜電位や細胞容積の維持など様々な細胞機能に重要な役割を果たしている。ギトキシンはNa+/K+-ATPaseのαサブユニットに特異的に結合し、その活性を阻害する。その結果、細胞内にナトリウムイオンが蓄積し、ナトリウム-カルシウム交換機構を介した細胞内カルシウム濃度の上昇などの二次的な事象が引き起こされる。このような細胞の変化が、ギトキシンおよび関連する心臓配糖体で観察される正の強心作用に寄与している。ギトキシンはその心毒性作用以外にも、抗がん作用についても研究されている。様々な癌細胞株において、ギトキシンがアポトーシスを誘導し、増殖を抑制することが研究により示されているが、これはおそらく、イオンのホメオスタシスの破壊とシグナル伝達経路の調節が関与するメカニズムによるものであろう。さらに、基礎となるメカニズムを完全に説明するためにはさらなる研究が必要であるが、ギトキシンには神経保護作用があることが示唆されている。全体として、ギトキシンは、細胞のイオン制御を理解し、癌や神経変性疾患などの様々な疾患における可能性を探る上で、貴重なツールである。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
Gitoxin, 5 mg | sc-279181 | 5 mg | $540.00 |