エプスタイン・バーウイルス(EBV)はヒトヘルペスウイルスの一種で、ヒトの大部分に偏在して感染している。ほとんどのEBV感染は無症状であるが、ウイルス自体は上皮系およびリンパ系の悪性腫瘍と関連している。LMP2A としても知られるEBV LMP-2A (Epstein-Barr virus latent membrane protein 2A) は、EBV感染細胞の表面に存在する497アミノ酸のEBVタンパク質で、短いC末端尾部、12個の膜貫通ドメイン、長いN末端セグメントから構成されている。ほとんどのEBV関連悪性腫瘍で発現するEBV LMP-2Aは、タンパク質チロシンキナーゼと会合し、この会合を介してPI 3-キナーゼ(ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ)経路を活性化し、アポトーシスを阻止する。PI 3-キナーゼシグナル伝達事象を制御する能力を通して、EBV LMP-2Aは感染細胞に成長と発達の生存シグナルを与え、EBVによる腫瘍形成を促進する。さらに、EBV LMP-2Aは、BCR陰性細胞におけるB細胞受容体複合体(BCR)シグナル伝達を模倣することができ、変異細胞の生存においてEBV LMP-2Aが重要な因子であることをさらに示唆している。
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EBV LMP-2A抗体(14B7) 参考文献:
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