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合成カチオン性脂質であるジメチル-DL-2,3-ジステアロイルオキシプロピル(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムアセテートは、脂質二重膜や遺伝子導入システムの研究に広く用いられている。強い両親媒性で知られるこの化合物は、リポソームや脂質ナノ粒子の形成に役立っている。これらの構造は、膜の流動性、安定性、透過性など、脂質二重膜の生物物理学的特性を調べる上で極めて重要である。この脂質をモデル膜系に組み込むことで、研究者はカチオン性脂質が他の脂質種やタンパク質とどのように相互作用し、膜の組織化や動態に影響を与えるかを調べることができる。遺伝子導入の分野では、酢酸ジメチル-DL-2,3-ジステアロイルオキシプロピル(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムが、カチオン性脂質と核酸との間に形成される複合体であるリポプレックスの生成に用いられている。このリポプレックスは、細胞内への遺伝物質の封入と送達を容易にし、トランスフェクションの効率や細胞への取り込みと細胞内輸送のメカニズムを研究するツールとなる。この化合物はプラスに荷電しているため、マイナスに荷電した核酸と効果的に結合し、エンドサイトーシスによる細胞侵入を促進する。研究者たちはまた、この脂質を利用して、トランスフェクション・プロセスにおける脂質組成の効果を調べ、安定性と効率を高めるために製剤を最適化している。現在の研究では、様々な細胞種におけるプラスミドDNA、siRNA、mRNAの送達と発現を促進する役割に焦点を当てている。このカチオン性脂質の相互作用とメカニズムを理解することで、科学者たちは、研究応用のための脂質ベースのデリバリー・システムの開発を進めることを目指している。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
Dimethyl-DL-2,3-distearoyloxypropyl(2-hydroxyethyl)ammonium acetate, 100 mg | sc-214902 | 100 mg | $325.00 |