クイックリンク
D-ミオ-イノシトール1,5,6-三リン酸三カリウム塩(Ins(1,5,6)P3と略記)は、細胞内カルシウムシグナル伝達経路を調べる研究によく用いられるイノシトール三リン酸(IP3)の誘導体である。Ins(1,5,6)P3はセカンドメッセンジャーであり、細胞内貯蔵庫、特に小胞体からのカルシウム放出を制御することにより、細胞内シグナル伝達において重要な役割を果たしている。細胞表面の受容体が刺激されると、ホスホリパーゼC(PLC)が活性化され、ホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸(PIP2)が加水分解され、Ins(1,5,6)P3のようなリン酸化体を含むIP3が生成される。Ins(1,5,6)P3は、小胞体膜に存在するIP3受容体として知られる特定の受容体に結合し、細胞質へのカルシウムイオンの放出をもたらす。このカルシウム放出は、筋収縮、シナプス伝達、細胞増殖、遺伝子発現など、さまざまな下流の細胞反応を引き起こす。研究において、Ins(1,5,6)P3は、神経細胞の興奮性、シナプス可塑性、免疫細胞の活性化、受精など、カルシウム依存性の細胞プロセスに関与するシグナル伝達経路の解明に利用されている。さらに、Ins(1,5,6)P3の類似体や誘導体は、IP3受容体への結合親和性を調節したり、カルシウムシグナル伝達の特定の側面を研究するためのツールとして機能するように設計されており、細胞内カルシウム動態の生理学的および病理学的役割に関する貴重な洞察を提供している。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
D-myo-Inositol 1,5,6-trisphosphate tripotassium salt, 100 µg | sc-221505 | 100 µg | $595.00 |