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コリネシンVはコリネバクテリウムの特定の菌株が産生する抗菌性化合物で、細菌のタンパク質合成を阻害する能力で注目されている。その作用機序は、細菌のリボソームに結合し、特に50Sサブユニットを標的として、タンパク質翻訳の伸長期を阻害する。この阻害により、細菌の成長と生存に必要な必須タンパク質の合成が妨げられ、細胞死に至る。コリネシンVは特にグラム陽性菌に有効であり、細菌のリボソーム機能と抗生物質耐性メカニズムを研究する上で貴重なツールとなっている。研究においては、コリネシンVはリボソーム相互作用の構造的・機能的側面の研究に利用されている。X線結晶構造解析や凍結電子顕微鏡などの技術を用いて、リボソーム上のコリネシンVが誘導する正確な結合部位や構造変化を決定している。これらの研究により、リボソーム阻害の分子動力学に関する重要な知見が得られ、抗菌作用の幅広い理解に貢献する。さらに、コリネシンVは新しい抗生物質を開発するためのモデル化合物としても役立つ。コリネシンVの結合相互作用と耐性プロファイルを調べることにより、研究者らは、有効性が向上し、耐性菌に対する感受性が低下した誘導体の設計を目指している。コリネシンVの生合成経路に関する遺伝学的研究も行われており、コリネバクテリウムにおけるコリネシンVの生産に関与する遺伝子の同定と操作が行われている。全体として、コリネシンVは微生物学的および生化学的研究において不可欠な化合物であり、細菌のタンパク質合成阻害の研究や新しい抗菌剤の開発に大きく貢献している。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
Corynecin V, 1 mg | sc-391484 | 1 mg | $125.00 |