コレラ毒素はコレラ菌が放出するヘテロ六量体のAB5型エンテロトキシンで、コレラ菌に感染しやすい宿主に大量の分泌性下痢を引き起こす。ホロ毒素はBサブユニットの5量体リングからなり、その中心孔はAサブユニットが占めている。コレラ毒素のBサブユニットは、コレラゲノイドまたはCtxBとも呼ばれ、細胞表面に遍在する糖脂質受容体であるGM1ガングリオシド受容体に結合し、腸管上皮細胞の内腔表面に露出したGM1ガングリオシドに結合することによって、酵素的なAサブユニットを標的へと導き、毒素の作用を開始させる。AサブユニットにはA1とA2の2本の鎖があり、ジスルフィド結合している。このサブユニットは腸粘膜細胞内のアデニル酸シクラーゼ酵素を活性化し、細胞内のcAMPレベルを上昇させ、それによって細胞内に水が溢れ出し、破裂させる。
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Choleragenoid抗体(3D11) 参考文献:
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- 成体ラットの坐骨神経切断後の脊髄後角における、神経成長因子、脳由来神経栄養因子、神経栄養因子3が、神経節から輸送されたコレラゲノイドの層状分布に及ぼす影響。 | Eriksson, NP., et al. 1997. Neuroscience. 78: 863-72. PMID: 9153664
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