CD15抗体(B40.8)は、免疫蛍光(IF)法およびフローサイトメトリー(FCM)法により、ヒトサンプル中のCD15を検出するマウスモノクローナルIgM抗体です。CD15は、Lewis XまたはLeXとしても知られ、酵素フコース転移酵素 IV (FucT-IV) によって合成される糖鎖抗原です。この酵素は、受容体分子にフコースを付加する触媒作用を持ち、その結果、三糖構造が形成されます。CD15は主に白血球細胞や特定の腫瘍細胞の表面に存在し、接着分子として重要な役割を果たしています。CD15はカルシウムイオン媒介の同種結合を促進し、カルシウムイオンが存在する環境下でCD15を高レベルで発現する細胞の自己凝集を強力に引き起こします。さらに、CD15はセレクチンに対するリガンドとして機能し、免疫反応時の白血球特異的相互作用の媒介に不可欠です。細胞接着と凝集を促進するCD15の能力は、炎症や免疫細胞の移動など、さまざまな生理学的プロセスにおけるCD15の重要性を裏付けるものであり、CD15は免疫学や癌生物学の研究における重要なターゲットとなっています。抗CD15抗体(B40.8)は、これらの相互作用や、ヒトの健康と疾患におけるCD15の機能的意味を研究するための貴重なツールです。
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CD15 参考文献:
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