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12-メチルトリデカン酸は分岐鎖脂肪酸であり、脂質代謝における役割や膜動態への影響について広く研究されている。この脂肪酸は炭素の12番目の位置にメチル分枝があるのが特徴で、脂質二重膜に取り込まれ、流動性や相挙動などの物性を変化させる。研究により、12-メチルトリデカン酸の膜への取り込みが、酵素、受容体、輸送体などの膜関連タンパク質の機能を変化させることが実証されている。このような変化は、膜の構造組織に影響を与えることにより、シグナル伝達や栄養輸送などの様々な細胞プロセスに影響を与える可能性がある。代謝研究において、12-メチルトリデカン酸は、エロンガーゼやデサチュラーゼなど分岐鎖脂肪酸の生合成や修飾に関与する酵素の特異性や活性を調べる基質として用いられる。そのユニークな構造から、分岐鎖脂肪酸の合成を制御する酵素機構や制御経路に関する貴重な知見が得られる。さらに、12-メチルトリデカン酸は、分析化学、特にガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)において、複雑な生物学的マトリックス中の分岐鎖脂肪酸を同定・定量するための標準物質としての役割を果たしている。全体として、この化合物は、脂質代謝、膜構造、および細胞生化学における分岐鎖脂肪酸の機能的役割の理解を深める、リピドミクスにおける重要なツールである。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
12-Methyltridecanoic acid, 10 mg | sc-213602 | 10 mg | $160.00 |