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1-O-パルミチル-2-パルミトイル-rac-グリセロ-3-ホスホコリンは、しばしばPOPCという略称で呼ばれ、細胞膜をモデル化する研究に広く利用されている合成リン脂質である。ジアシルホスファチジルコリンであるPOPCは、哺乳類の細胞膜の外葉に見られる脂質組成を忠実に模倣しており、細胞膜の構造、動態、機能に関する研究の理想的な候補となっている。POPCはグリセロール骨格のsn-1およびsn-2位にパルミチン酸、sn-3位にホスホコリン基という2つの脂肪酸鎖をエステル化したもので、両親媒性の性質を持つ。この構造により、POPCは水性環境下で自発的に二重膜を形成し、実験的研究のための簡略化されたシステムとして機能する人工膜を作り出すことができる。研究者はPOPCを用いて、小胞形成、二重層の流動性、膜特性の調節におけるコレステロールの役割など、脂質の挙動に関する基本的な側面を研究している。さらに、POPCは脂質とタンパク質の相互作用の研究に役立っており、タンパク質が脂質二重膜の中でどのように挿入され、どのように機能するかについての洞察を提供している。大型の一枚膜小胞(LUV)や多層膜小胞(MLV)の作製におけるPOPCの利用は、生物物理学的実験において極めて重要であり、脂質パッキングや脂質集合体の透過性特性などのメカニズムの理解を助ける。
注文情報
製品名 | カタログ # | 単位 | 価格 | 数量 | お気に入り | |
1-O-Palmityl-2-palmitoyl-rac-glycero-3-phosphocholine, 5 mg | sc-213386 | 5 mg | $275.00 |