SIGLEC7(シアル酸結合Ig様レクチン7)は、ヒトではSIGLEC7遺伝子によってコードされるタンパク質です。シグレック(シアル酸結合免疫グロブリン様レクチン)ファミリーに属するタンパク質の一種であり、主に免疫細胞に存在する細胞表面受容体です。シグレックは、糖タンパク質および糖脂質のシアル酸残基と相互作用し、細胞間コミュニケーションを媒介し、免疫応答を調節します。SIGLEC7は、自然免疫系、特にウイルス感染細胞や腫瘍形成に対する防御において重要な役割を果たす白血球の一種であるナチュラルキラー(NK)細胞に主に発現しています。また、単球や樹状細胞などの他の免疫細胞の小サブセットにも存在しています。SIGLEC7がシアル酸リガンドと結合すると、通常は抑制シグナル伝達が起こり、NK細胞の活性化が抑制されます。これは、NK細胞がシアル酸を表面に発現している体内の健康な細胞を攻撃しないようにし、自己免疫を回避するメカニズムであると考えられています。しかし、一部の病原体や癌細胞は、宿主のシアリル化パターンを模倣することでこのメカニズムを利用し、免疫による検出や破壊を回避している可能性があります。SIGLEC7の細胞外ドメインには、シアル酸との結合を担う免疫グロブリン(Ig)様ドメインが含まれています。SIGLEC7の細胞質尾部には、リン酸化によりSHP-1やSHP-2などのホスファターゼをリクルートする免疫受容体チロシンベース阻害モチーフ(ITIM)が含まれています。このリクルートメントにより、活性化シグナル伝達経路のダウンレギュレーションが起こり、それに続いて細胞活性化が阻害されます。
製品名 | CAS # | カタログ # | 数量 | 価格 | 引用文献 | レーティング |
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Oseltamivir phosphate | 204255-11-8 | sc-208135 sc-208135A | 10 mg 200 mg | $175.00 $637.00 | 5 | |
ノイラミニダーゼ阻害剤はシアル酸残基の切断を防ぎ、SIGLEC7との結合に影響を与える可能性がある。 | ||||||
Imatinib | 152459-95-5 | sc-267106 sc-267106A sc-267106B | 10 mg 100 mg 1 g | $25.00 $117.00 $209.00 | 27 | |
チロシンキナーゼ阻害剤は、免疫細胞の活性化に関連するシグナル伝達経路に影響を与え、SIGLEC7の機能に影響を与える可能性がある。 |