FAM83Eの活性を調節する化学物質は、それらが標的とする経路に基づいて大別することができる:PI3K/ACTとMAPKがその一つである。LY294002やWortmanninのようなPI3K阻害剤は、PI3Kキナーゼを阻害することにより、PI3K/AKT経路を直接阻害する。即時的な効果はAKTリン酸化の減少であり、AKTリン酸化はFAM83Eが関与する複数の細胞活動に重要な役割を果たしている。特筆すべきは、NVP-BEZ235はその阻害作用をmTORにまで拡大することで、FAM83Eに限定されるものではないが、より広範な細胞内シグナル伝達をカバーすることである。
U0126やAZD6244のようなMEK阻害剤、またそれぞれSB203580やSP600125のようなp38阻害剤やJNK阻害剤は、MAPK経路に影響を及ぼす。これらの阻害剤は、MAPKの活性化と機能を調節し、FAM83Eが影響を及ぼす可能性のある細胞活動を効果的に変化させる。PP2のようなSrcキナーゼ阻害剤は、成長シグナル伝達や細胞接着を含む様々な細胞活動に関与するSrcファミリーキナーゼを直接標的とする。これらのキナーゼを阻害することで、PP2はFAM83Eの機能性と相互作用したり、FAM83Eの機能性に影響を及ぼす可能性のあるシグナル伝達経路を調節することができる。BAY 43-9006の場合、RafキナーゼとVEGFRの両方を標的とするその能力は、FAM83Eが作用する細胞環境に対するより複雑な調節効果を示している。