FAM71E2阻害剤には、アクチン細胞骨格と関連するシグナル伝達経路を標的とすることにより、タンパク質の活性に間接的に影響を与える様々な化合物が含まれる。ウィスコスタチンとCK-0944666は、それぞれN-WASPを阻害し、アクチンフィラメントを安定化することにより、アクチンダイナミクスを操作する。これらの作用の結果、アクチン細胞骨格が変化し、これはFAM71E2に関連する機能に必須である。ML141とIPA-3は、アクチンの重合とリモデリングに直接関与するGTPaseを標的とする。Cdc42とPak1を阻害することで、これらの化合物はアクチン動態を低下させる可能性があり、FAM71E2がアクチン細胞骨格の完全性と動態に依存しているのであれば、FAM71E2の機能を阻害する可能性がある。
さらに、ChelerythrineやNSC23766のような化合物は、プロテインキナーゼCとRac1のシグナル伝達経路を阻害する。これらのキナーゼが阻害されると、アクチンの構造が変化する可能性があり、アクチンに関連するFAM71E2の機能が阻害される可能性がある。同様に、SMIFH2、Y-27632およびジメチルファスジルは、それぞれホルミンを介する過程およびRho関連タンパク質キナーゼ(ROCK)経路を阻害することによって、アクチンの核形成および収縮機構の制御を標的としている。これらの阻害剤は、FAM71E2が関与する機能にとって重要なアクチンフィラメントの形成と安定化を阻害することができる。ZCL278とEHop-016は、Cdc42とRac1のシグナル伝達を特異的に阻害することから、small GTPase経路の調節が、アクチン細胞骨格を変化させることによってFAM71E2の機能活性に大きな影響を与えるという考えがさらに支持された。