α9-nAChRの化学的阻害剤は、様々なメカニズムで機能し、この受容体の正常な活性を阻害する。メチルリカコニチンはα9-nAChRに選択的に結合し、受容体に付随するイオンチャネルを遮断することにより阻害作用を発揮し、神経細胞のシグナル伝達に重要な陽イオンの流入を妨げる。 α-ブンガロトキシンも強力な阻害剤であり、受容体に不可逆的に結合し、受容体の活性化とシグナル伝達に不可欠なアセチルコリンの結合を妨げる。DhβEは、α9-nAChR上のアセチルコリンと同じ部位に競合的に結合することで作用するが、受容体を活性化することなく、その機能を阻害する。アルカロイドの一種であるツボクラリンもまた、α9-nAChR上のアセチルコリン結合部位に結合することで競合的拮抗薬として作用し、その活性化を阻害する。
クロリゾンダミンやヘキサメトニウムのような他の阻害剤は、受容体のイオンチャネルを標的とする。クロリゾンダミンはこのチャネルを遮断するため、イオンの流れを止めてα9-nAChRの機能を阻害する。ヘキサメトニウムは、同じくイオンチャネルを標的とすることで神経節遮断薬として作用し、脱分極と神経伝達を阻止する。トリメタファンも同様の作用があり、受容体のイオンチャネルに結合し、イオン伝導を阻害する。コノトキシン、特に円錐カタツムリ毒のα-コノトキシンは、アセチルコリン結合部位を阻害することによりα9-nAChRを阻害する。アトラクロニウム、ベクロニウム、パンクロニウムなどの神経筋遮断剤は、受容体の結合部位をアセチルコリンと競合させることによって阻害作用を発揮し、受容体のイオンチャネル活性とシグナル伝達を阻害する。これらの化学物質はそれぞれ、受容体レベルで異なるが効果的な相互作用を介して、α9-nAChRの活性化と機能を阻害する。
関連項目
| 製品名 | CAS # | カタログ # | 数量 | 価格 | 引用文献 | レーティング |
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α-Bungarotoxin | 11032-79-4 | sc-202897 | 1 mg | $344.00 | 5 | |
α-Bungarotoxinは、α9-nAChRなどのニコチン性アセチルコリン受容体に不可逆的に結合し、受容体の活性化とそれに続くシグナル伝達に不可欠なアセチルコリンの結合を阻害することにより、その機能を阻害する毒素です。 | ||||||